2026.01.09

化粧品の物流で知っておきたい「3PL」とは?

化粧品は多品種少量の出荷や品質管理、法規制対応が必要になり、物流の負担が大きくなりがちです。
しかし、化粧品物流で3PLを活用すると、物流対応に追われない体制を整えられます。
物流業務を専門事業者に任せることで、社内の人材や時間を商品開発や販売活動に使えるようになるでしょう。
本記事ではこの「3PL」について詳しく解説します。

3PLとは?

3PLとは、物流業務を専門事業者に委託する仕組みです。
保管や出荷といった物流業務を外部に任せ、自社で物流体制を抱えずに運用できます。
従来は自社で倉庫や人員を確保する企業が多く見られましたが、近年は本業に集中する目的で3PLを導入するケースが増えています。
3PL事業者は、運送や倉庫管理に加え、業務改善を含めた物流全体の設計を担います。
そのため、単なる作業委託ではなく、物流運用を任せる形として活用できます。
以下では、3PLの2つの種類について、詳しく見ていきましょう。

3PL:アセット型

アセット型3PLは、倉庫やトラックなどの設備を自社で保有している形態です。
自社の資産を使って業務をおこなうため、現場管理や作業ルールを統一しやすいです。
たとえば、入出庫作業や人員教育を3PL事業者が一括で管理することで、指示系統が整理されます。
業務フローが固定化しやすく、安定した運用を求める企業に向いています。

3PL:ノンアセット型

ノンアセット型3PLは、自社で倉庫や車両を持たず、物流ノウハウを提供する形態です。
必要な倉庫や運送手段は外部事業者を活用し、全体の調整や設計を担います。
そのため、物量や販売形態の変化に合わせて柔軟に体制を組み替えやすい点が特徴です。
特定の設備に縛られないため、拠点変更や業務拡張にも対応しやすくなります。
ただし、複数事業者が関与するため、情報共有や連携体制の整備が必要です。

化粧品業界における3PLの考え方

化粧品業界の3PLは、一般的な物流よりも管理水準が求められます。
薬機法への対応や品質管理が欠かせないためです。
たとえば、使用期限やロット管理、温度管理を前提とした保管体制が必要になります。
また、化粧品製造業許可を保有する3PLであれば、法定表示ラベルの貼付や外箱の組み替え、出荷前検査まで委託できます。

化粧品物流における3PLのメリット

化粧品物流で3PLを利用すると、業務負担と品質管理を整えやすくなります。
専門事業者が物流設計から実務までを担うためです。
保管、検品、流通加工までのすべてを任せることで、社内対応の手間を減らせます。
以下では、具体的なメリットについて解説していきます。

物流コストの削減

3PLを利用すると、固定費を削減できます。
自社で倉庫や人員を抱える場合、固定費が発生し続けますが、3PLでは出荷量に応じた費用となります。
たとえば、繁忙期と閑散期で物量が変動しても、コストの調整が可能です。
また、物流費用が委託費用として明確になるため、予算管理もしやすいです。

物流品質の向上

3PLを導入すると、物流作業の質や精度が高まります。
専門的な事業者は、化粧品物流に慣れた体制と仕組みが整っているためです。
たとえば、色番違いが起こりやすい商品でも、ハンディ端末や画像検品を用いた出荷管理がおこなわれます。
検品や保管方法も標準化されており、誤出荷や品質トラブルを抑えやすいです。
その結果、顧客対応やブランド評価への影響を最小限に抑えられます。

化粧品物流における3PLのデメリット

化粧品物流で3PLを利用する場合、運用面で注意すべき点があります。

  • 情報の伝達速度が遅くなる可能性
  • 依頼費用でコストがかさむ可能性
  • 自社に物流のノウハウが蓄積されない

たとえば、急な仕様変更や出荷条件の調整が必要な場合、社内対応よりも連絡や調整に時間がかかることがあります。
また、委託内容によっては費用が想定より膨らむケースもあります。
これらの点を理解したうえで導入しないと、運用が難しいと感じてしまうでしょう。

3PLを依頼する際の注意点

3PLを業者に依頼する際は、事前に情報を整理しておきましょう。
委託範囲や役割分担が曖昧なままだと、運用トラブルが起きやすくなるためです。
物流業務をすべて任せるのか、一部を自社で管理するのかによって、体制や費用は大きく変わります。
導入前に業務内容を洗い出し、どこまで任せるかを整理することでスムーズな運用が可能です。
以下では、とくに注意しておくべき点について解説します。

委託範囲を明確に決める

3PLを活用する際は、委託範囲を具体的に決める必要があります。
委託内容によって費用や管理方法が大きく変わるためです。
たとえば、以下のいずれかによって業務設計は異なります。

  • 保管と出荷のみを任せるのか
  • 流通加工や検品まで含めるのか

曖昧なまま進めると、想定外の追加費用が発生することもあるので、事前に業務ごとの役割を整理しておきましょう。

価格だけで業者を決めない

3PL業者の選定では、価格だけで判断しないようにしましょう。
特に化粧品物流では許認可や実務対応力が運用品質に関わります。
特に、以下の3つは必ず確認しておきましょう。

  • 化粧品製造業許可の有無
  • 品質管理体制
  • 情報共有の仕組み

あわせて、改善提案や運用見直しへの姿勢も確認しておくと良いでしょう。

適切な3PLの導入は多くのメリットになる

化粧品物流における3PLは、業務負担を抑えながら物流体制を整えられます。
専門事業者に委託することで、品質管理や法規制対応を含めた運用がしやすくなります。
一方で、委託範囲や業者選定を誤ると、運用面で課題が生じる可能性があるので注意してください。
自社の業務内容を整理し、適切な形で3PLを活用しましょう。

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