2026.01.28

化粧品の物流倉庫の機能や選び方。倉庫に必要な許可

化粧品を扱う物流では、ただ商品を保管して出荷するだけでは不十分です。
化粧品は薬機法の規制を受けるため、倉庫での保管やラベル貼り、箱詰めといった作業にも一定の条件が求められます。
倉庫選びを誤ると、品質トラブルや法令違反につながる可能性があります。
この記事では、化粧品物流倉庫の役割や必要な許可について解説します。

化粧品物流倉庫とは?

化粧品物流倉庫とは、化粧品を安全に保管し、出荷まで管理するための倉庫です。
一般的な倉庫と違い、法律対応や品質維持を前提とした運用が求められます。
化粧品は薬機法の規制対象であり、保管や梱包も製造工程に含まれるためです。
温度管理やロット管理、表示対応まで含めて初めて「化粧品を扱える倉庫」と言えます。
以下では、化粧品物流倉庫に求められる役割について解説します。

一般的な倉庫との違い

化粧品物流倉庫は、単に商品を置く場所ではありません。
化粧品は品質変化や表示ミスが直接クレームや法令違反につながるため、品質管理や規制にそった管理が必要です。
たとえば、常温倉庫では夏場に高温になり、品質劣化が起きる可能性があります。
また、ラベル貼付や箱詰めが許可なく行われるとトラブルになります。
化粧品物流倉庫は、これらの作業を安全かつ適切におこなうための倉庫です。

化粧品物流倉庫で対応できる主な業務

化粧品物流倉庫では、保管だけでなく出荷前後の作業もおこないます。
具体的には、以下の作業です。

  • ラベル貼り
  • 箱詰め
  • セット組み
  • 検品
    など。

これらを倉庫内で完結できることで、出荷までの時間短縮とミス削減につながります。

化粧品物流倉庫が重要な理由

化粧品は、物流品質がそのままブランド評価に影響します。
箱の潰れや汚れ、ラベルのズレといった小さな違和感でも、使用前の印象が悪くなるためです。
たとえば、初回購入で不備があると、商品自体が良くても再購入されにくくなります。
安定した物流体制を持つ倉庫を使うことが、リピートにつながります。

EC・通販で特に求められる機能

EC向けの化粧品物流倉庫では、作業の正確さと柔軟性が重要です。
ECでは注文内容が細かく、同梱物やセット内容が頻繁に変わるためです。
たとえば、キャンペーン時にはノベルティ追加やギフト包装が発生します。
EC前提の場合、対応範囲の広さが倉庫選びの基準になります。

倉庫で化粧品の保管・管理をするには「化粧品製造業許可」が必要

倉庫で化粧品を保管したり、ラベル貼りや箱詰めをおこなうには、化粧品製造業許可が必要です。
薬機法では保管や表示、包装も「製造行為」に含まれるためです。
「輸入化粧品に日本語ラベルを貼る、製品を箱に入れて保管する」などの行為も製造と判断されます。
許可のない倉庫に委託すると、知らないうちに法令違反になる可能性があります。
そのため、化粧品を扱う物流倉庫では、製造業許可の有無を最初に確認してください。

化粧品製造業許可とは?

化粧品製造業許可とは、薬機法に基づき、化粧品の製造工程に関わる事業者が取得する許可です。
ここでいう製造には、中身を作る工程だけでなく「包装、表示、保管」も含まれます。
許可は「一般」と「包装・表示・保管」の2区分に分かれており、物流倉庫で必要になるのは後者です。

化粧品製造業許可の要件

化粧品製造業許可を取得するには、「設備」と「人」の要件を満たす必要があります。
設備面では、「衛生的に管理できる区画、換気、防じん・防虫対策、廃棄物処理設備」などが求められます。
人の要件としては、「薬学や化学の知識を持つ責任技術者の設置」が必要です。
これらは書類だけでなく、実地確認もおこなわれます。
条件を満たさない倉庫では、化粧品の保管や流通加工をおこなえません。

化粧品の物流倉庫を選ぶ際のポイント

化粧品の物流倉庫は、保管できればどこでも良いわけではありません。
化粧品は法律・品質・安全面の制約が多く、倉庫選びを誤るとトラブルにつながります。
許可の有無や保管環境、管理体制まで含めて確認することで、リスクを抑えた運用が可能になります。
以下では、委託前に必ず確認しておきたい実務上のポイントを解説します。

必要な許可の取得をしているか?

上記でも解説したように化粧品を「保管・梱包・ラベル貼り」する倉庫には、化粧品製造業許可が必要です。
許可のない倉庫で作業をおこなうと、委託元も法令違反になる可能性があります。
契約前に、どの区分の許可を取得しているかを必ず確認しておきましょう。

保管環境は適切か?

化粧品は高温や直射日光に弱く、保管環境が品質に直結します。
そのため、常時空調による温度管理や、遮光された環境が整っているかを確認しておきましょう。
たとえば、夏場でも30度以下を保てる倉庫であれば、品質変化のリスクを抑えられます。
加えて、防じん・防虫対策が取られているかも確認すると、長期保管でも安心です。

ロット管理は徹底されているか?

化粧品はロット管理が法律で求められており、先入れ先出しでの出荷が基本です。
ロット番号ごとに在庫を管理できない倉庫では、回収時の対応範囲が広がり、リスクが大きくなります。
倉庫管理システムを使い、ロット単位で出荷履歴を追える体制が整っているかを確認しておきましょう。

消防法を守っているか?

化粧品の中には、アルコール成分を含み、危険物に該当するものがあります。
香水や化粧水、クレンジングオイルなどが代表例です。
これらを指定数量以上保管する場合、消防法に対応した施設が必要です。
対応していない倉庫では保管自体ができないこともあります。
危険物対応の可否を事前に確認することで、急な移管や保管停止を避けられます。

委託元・委託先の責任範囲は明確か?

化粧品の保管や流通加工では、責任の所在を明確にしておくことが大切です。
たとえば、保管中の品質維持やラベル貼付ミスが起きた場合、どこまでが倉庫側の責任かを決めておかないとトラブルになります。
契約書で業務範囲と管理責任を具体的に定めておきましょう。

化粧品の保管は3PL対応がおすすめ

化粧品の物流は、保管だけでなく流通加工や在庫管理まで含めて考える必要があります。
そのため、単なる倉庫よりも、物流全体を任せられる3PL対応の倉庫が向いています。
業務をまとめて委託することで、管理の手間やリスクが減ります。
以下では、3PLについて簡単に解説します。

3PLとは?

3PLとは、第三者が物流業務を一括で請け負う仕組みです。
「保管、出荷、在庫管理、流通加工」などをまとめて任せられます。
化粧品の場合、日本語ラベル貼りやセット組み、検品まで対応できる点が特徴です。
複数の業者に分けて依頼するより、管理がシンプルになります。

3PL対応であることのメリット

3PL対応の倉庫を利用すると、化粧品物流を一か所でまとめて管理できます。
「保管・流通加工・出荷」までを同じ拠点で行えるため、発送もスムーズです。
また、工程が分断されないため、作業ミスや確認漏れが起きにくくなります。

化粧品物流倉庫選びは安心できる場所へ

化粧品を物流倉庫で保管・管理するには、化粧品製造業許可の有無が前提条件です。
そのうえで、「温度管理、ロット管理、消防法対応、責任範囲の明確化」が大事なポイントとなります。
これらを満たさない倉庫を選ぶと、品質低下や法令違反のリスクが高まるので注意してください。
また、保管だけでなく流通加工や出荷まで含めて任せる場合は、3PL対応の倉庫を選びましょう。

関連記事