物流改善の進め方|現場のムダを減らす具体的な方法

物流改善では、最初から大規模な設備投資をする必要はありません。
まず現状を把握し、どこで時間やコストが発生しているのかを確認したうえで、改善効果の大きいところから見直します。
今回は、物流改善のポイントについて解説します。
物流改善とは
物流改善とは、入荷から配送までの工程を見直し、作業時間、コスト、ミスを減らす取り組みです。
単に物流費を下げればよいわけではありません。
運賃を抑えて誤出荷が増えたり、在庫を減らしすぎて欠品が発生したりすれば、物流全体としては改善したとはいえません。
主に確認したいのは、以下の3点です。
- 品質
- コスト
- 納期
品質や納期を維持しながら、ムダを減らすことが物流改善の基本です。
物流改善はムリ・ムダ・ムラの把握から始める
物流現場では、日常的な作業の中に改善余地があります。
たとえば、
・特定のスタッフに作業が集中している
・商品を探す時間が長い
・同じ情報を何度も入力している
・曜日によって作業量に大きな差がある
といった状態です。
ピッキングに時間がかかっている場合でも、原因がスタッフの作業速度とは限りません。
商品の配置が悪く、倉庫内を何度も往復している可能性もあります。
まずは、どの作業にどれだけ時間がかかっているのかを確認しましょう。
物流改善を進める基本的な流れ

物流改善は、以下の流れで進めます。
1. 現状把握
2. 課題の特定
3. 改善策の実施
4. 効果確認
5. 再度見直し
そのうえで、
- ピッキング時間
- 誤出荷件数
- 在庫差異
- 荷待ち時間
- 物流コスト
などを確認し、どこに問題が集中しているのかを特定します。
改善後も同じ指標を確認すれば、施策によってどれだけ変化したのかを判断できます。
倉庫内の物流改善
倉庫では、商品配置や作業動線を見直すだけでも改善できる場合があります。
以下では、見直しのポイントについて解説します。
商品配置と作業動線
出荷頻度の高い商品が倉庫の奥にあると、ピッキングのたびに長い距離を移動します。
そのため、商品を出荷頻度ごとに分類し、
A:出荷頻度が高い
B:中程度
C:低い
と分けて配置するABC分析がおすすめです。
ロケーション管理
商品の場所をスタッフの記憶だけで管理すると、担当者によって作業効率が変わります。
そのため、棚やエリアに番号を付け、
A-01-01
A-01-02
B-02-01
などのロケーションを設定しましょう。
誰でも商品の場所を確認できるようになります。
在庫の見直し
過剰在庫も物流コストを増やす原因です。
長期間動いていない商品が増えると、保管スペースを圧迫するだけでなく、棚卸しやピッキングの負担も増えます。
まずは一定期間出荷されていない商品を確認し、廃棄、返品、販売促進などを検討します。
また、販売数や入荷までの日数をもとに適正在庫を設定し、必要以上に商品を保管しない運用も必要です。
配送を見直す
配送では、ルートや積載率を確認します。
同じエリアへ複数回配送していたり、トラックの荷台に空きが多かったりすると、輸送コストが高くなります。
同じ方面への荷物をまとめる、出荷日を調整する、配送順を見直すことで、1回の配送で運べる量を増やせます。
配送量によっては、貸切トラック以外の輸送サービスへ変更する方法もあります。
WMSなどのシステムを活用する
人だけでは改善に限界がある場合は、システム導入も検討してみましょう。
代表的なものには、
- WMS
- TMS
- ハンディターミナル
- AGV・AMR
などがあります。
ただし、システムを入れること自体が目的にならないよう注意が必要です。
物流改善は現場の可視化から始めよう
物流改善では、まず現在の物流がどのように動いているのかを把握することが必要です。
商品の探索に時間がかかっているのか、在庫を抱えすぎているのか、配送効率が悪いのかによって、取るべき対策は変わります。入荷から配送までの流れを確認し、時間、コスト、ミスが集中している工程を見つけましょう。
そのうえで、商品配置、在庫量、配送方法、システムなどを見直します。
物流改善は一度で終わるものではありません。
改善後の数字を確認しながら、継続して見直すことが物流全体の効率化につながります。