物流コスト削減につながる主な手法

物流コストを削減する方法は、運賃の見直しだけではありません。
配送、在庫、保管、梱包、荷役、委託先などを総合的に見直すことで、物流全体のムダを減らせます。
ここでは、代表的な削減手法を解説します。
配送回数や納品頻度を見直す
配送回数や納品頻度を見直すことで、物流コストを削減できる場合があります。
毎日配送しているものを週数回にまとめたり、少量出荷を一定量にまとめたりすることで、配送効率を高められるためです。
農林水産省の資料では、物流2024年問題への対応策として、共同配送の活用25.9%、ロットの変更19.1%が挙げられています。(※農林水産省)
少量多頻度配送を見直すことは、物流効率化の現実的な手法の一つです。
ただし、配送回数を減らす場合は、納品先への影響も確認する必要があります。
欠品や納期遅れが発生しない範囲で、配送頻度を調整しましょう。
積載率を高める
積載率を高めることも、物流コスト削減につながります。
積載率を高めるには、
- 出荷日をまとめる
- 同じ方面の荷物を集約する
- 配送ルートを見直す
などの方法があります。
荷物を効率よく積めるように、梱包サイズや荷姿をそろえることも有効です。
同じ車両でより多くの荷物を運べるようになれば、1件あたりの配送コストを抑えやすくなります。
共同配送を活用する
共同配送とは、複数の企業や複数拠点の荷物をまとめて配送する方法です。
同じ方面への配送が多い場合、個別にトラックを手配するよりも、配送回数や車両台数を減らせる可能性があります。
共同配送は、配送コストの削減だけでなく、ドライバー不足や輸送力不足への対応にもつながります。
特に納品先や配送エリアが重なる企業では、検討しやすい方法です。
ただし、納品時間や荷姿、温度管理などの条件が合わないと運用が難しくなります。
共同配送を行う場合は、配送条件を事前に整理しておきましょう。
在庫量を適正化する
過剰在庫を減らすことで、保管費や管理作業を抑えられます。
在庫量を適正化するには、販売データや需要予測をもとに、必要な数量を見直すことが必要です。
動きの少ない商品や長期滞留品を把握し、発注量や保管場所を調整しましょう。
在庫が整理されると、倉庫内の作業効率も上がります。保管費の削減だけでなく、作業時間の短縮にもつながります。
梱包サイズや資材を見直す

梱包サイズや資材の見直しも、物流コスト削減につながります。
見直しの例は、以下の通りです。
- 商品に合う箱サイズへ変更する
- 共通箱を減らし、サイズ展開を見直す
- 緩衝材の量を調整する
- リサイクル資材や簡易包装を検討する
- ポスト投函できる梱包へ切り替える
梱包の見直しは、配送費だけでなく、保管スペースや作業時間の削減になります。
荷待ち時間や荷役作業を短縮する
荷待ち時間や荷役作業を短縮することで、物流効率を改善できます。
対策として、以下があります。
- 予約受付システムの導入
- 入出荷時間の分散
- パレット化
- 事前出荷情報の共有
などがあります。
荷物の準備ができていない状態でトラックが到着すると待機時間が発生するため、倉庫側の作業段取りも見直しましょう。
物流拠点や配送ルートを見直す
倉庫や配送拠点の位置が配送先と合っていない場合、輸送距離が長くなり、物流コストが増えます。
特定エリアへの配送が多いにもかかわらず、遠方の倉庫から出荷している場合は、拠点配置の見直しが必要です。
配送ルートも同様です。
遠回りや重複配送が発生していると、燃料費や人件費が増えます。
配送先の分布、出荷量、配送頻度を確認し、効率のよいルートや拠点配置を検討しましょう。
物流業務の外部委託を検討する
自社で倉庫や配送体制を抱えている場合、固定費が大きくなることがあります。
倉庫の賃料、人件費、設備費、システム費などは、出荷量が少ない時期でも発生するからです。
物流会社へ委託すれば、保管や出荷作業を物量に応じた費用へ切り替えられる場合があります。
ただし、委託すれば必ず安くなるわけではありません。
保管料、出荷料、流通加工費、返品対応費などを含めて、自社運営と比較することが必要です。
物流コスト削減は運賃だけでなく物流全体の見直しから始める
物流コスト削減は、単に運賃を下げる取り組みではありません。
- 配送回数
- 積載率
- 在庫量
- 保管スペース
- 梱包サイズ
- 荷待ち時間
- 委託範囲
などを見直し、物流全体のムダを減らすことが必要です。
まずは物流コストを見える化し、自社のどこに負担がかかっているのかを把握しましょう。そのうえで、配送、在庫、保管、梱包、荷役、委託先を一つずつ見直すことが、継続的なコスト削減につながります。